松屋のカメラ市である買い物をしてしまった。
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Plaubel MakinaIIsを購入
以前、友人から譲ってもらった2本のテレマキナの話をした
意外にハッセル1000Fでの使用結果は良かったのだが、
20年前なら楽勝で買えた1000F用の接写リングが調達出来ず
レンズはその後放置プレイ状態だった。
それに加えて「やはり本来の使い方をしてみたい」という
気持ちはあったものの、本家プラウベルマキナは今となっては
なかなか手ごろな価格でちゃんと使えるものがない。
(高いものはそれなりに見かけるのだが)
今回のカメラ市でようやくそれを買うことが出来た。
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とりあえず使って失敗をする
マキナIIsは使ったことがない。
まずはフィルム1本撮影したが上のような結果だった。
多重露出にピンボケ・・・
う~む、これはいかん!
考えてみるとロールフィルムホルダーを使うのは20年以上ぶり
である(遠い目)
これはいかん!
もっとガッツリ操作感を取り戻さないと!
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Anticomar100F4.2 F=1:11
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Anticomar100F4.2 F=1:5.6(くらい)
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Anticomar100F4.2 F=1:9
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Anticomar100F4.2 絞り解放
撮影失敗はしながらも何点か不具合を見つけたので、購入した
撮影失敗はしながらも何点か不具合を見つけたので、購入した
店で補修をお願いした。
直ったところで撮影したのが上画像である。
ところで、プラウベルマキナの標準レンズといえば、あの
アンチコマー100F2.9である。
スペックを見ると「お!ハイスペック(当時)」なのだが、
写りについてはあまり良い話は聞かない。
(注:あくまで「個人の感想」です)
ここまで書くと気が付く人がいるかもしれない。
そう!このマキナIIsに装着されているレンズは同じアンチコマー
でも100F4.2なのである。
私も買って帰宅して「あれ?見たことないレンズだ」と思った
くらいあまり知られていないタイプなのだが、調べてみると
この戦後タイプのコーティングタイプは「写るレンズ」として
評価が良いらしいことが判った。
ちょっと得したのか?
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撮影手順をしっかりと決めること
なにを今さら!と言われそうだが、こういう「原始的カメラ」は
ある意味人間力が問われるタイプである。
操作ミスをしないように考慮されていないからである(笑)
カメラの構造をしっかりと理解し、その上でプロセスを決めて
かからないとミスが発生する。
撮影手順についても以下のように標準化した。
(1)引き蓋を閉めてフィルムを巻き上げる
当たり前だと思われるが、意外にもこの段階で失敗することがある
当たり前だと思われるが、意外にもこの段階で失敗することがある
まず、現在入手出来るブローニーフィルムだが、仕様が変わって
いることがあるからである。
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KODAKのISO200(ネガ)の裏紙
今回の撮影では6x6で撮影しているのだが、このフィルムの裏紙を
見ると「6x6のときにはスタートマークが赤窓に出ない。
(実際はチラっと見える)
は?スタートマーク?赤窓??とほぼ死語の連続であるが、さらに
巻き上げると老眼にはとっても見えない小さい文字のI(1コマ目)
がチラッと出る。
このような裏紙仕様変更はときどきあって、油断していると
フィルムをムダにしてしまう。
巻き上げると戻せないのだが、それでも引き蓋を閉めておいて
冷静に巻上作業を行うことは重要である。
それは次の手順にも関係してくる。
(2)フィルム巻上後はシャッターチャージしておく
巻上後にすぐシャッターチャージをする。
別に撮影直前でもいいじゃないか?と思うかもしれない。
しかし、実際にやってみるとこういうことが発生する。
いざ撮影というときにシャッターチャージを確認したときに
チャージしていないと「あれ?巻上たっけ?まだだっけ??」と
迷うことになるからである。
まあいいか、とチャージして撮影すると多重露出になったり
巻いておくかとやって後で確認すると1コマ空白になって
いたりするのである(遠い目)
そう言うと「シャッターチャージしてしまうとうっかりレリーズ
したときに露光してしまうではないか」と言われそうである。
そう!そのために引き蓋は閉めておくのである(生活の知恵)
露光しないようになっているので、撮影前にレリーズ感も
確認出来るし、シャッター速度の確認も出来る。
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マキナIIsのレリーズ回り
うっかりレリーズが怖いのであればマキナIIsにはレリーズロック
がある。
レリーズ回りの構造はこんな感じなのだが、ロックはかなり
ガチリかかるようになっている。
ところで、これはマキナIIsの他の部分にも共通するのだが、
「このカメラはなぜこうも板金のエッジが立っているのか?」
操作が硬いうえに角が出ているので指が痛い(ち~ん)
レリーズはかなりガッツリ押さないと切れないのでそれほど
心配はないのであるが、この指が痛くなるロックをかけるくらい
なら引き蓋を閉めておくほうがマシである(笑)
(3)ピント合わせをしてから引き蓋を開けて撮影する
構図を決めてピント合わせが済んだところで撮影である。
引き蓋は撮影直前まで開けてはいけない。
このタイミングが一番レリーズミスが発生するからである。
大事なことは「引き蓋が出た状態は撮影準備完了」になって
いるということである。
この手順を標準化しておかないと、最初の撮影結果のような
アホなことになってしまう。
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プラウベルのフードが面白い
撮影前にはフードを装着するのだが、プラウベルのフードは
ちょっと面白い特徴がある。
アンチコマーとテレマキナを見ると判るが「口径が違う」ので
フードは別々か?と思うのだがフードは1種類しかない。
なんで?と思って上画像をよ~~~~っく見ると判るのだが
フードのネジは内側にも外側にもある。
そう!アンチコマーのときは内側のネジ(レンズ側は外にネジ)
テレマキナでは外側(レンズ側は内側)のネジを使う。
このフードは簡単にシリーズフィルタを脱着出来る構造になって
いて、ある意味システマチックである。
銀塩撮影は継続してやっていないと失われてしまう技術で
あることを再認識した。
さて、次はテレマキナ・・・なのだが、これがまた大変!
(続く)
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
クラシックカメラ専科 No1 (株)朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科 No2 名機105の使い方 (株)朝日ソノラマ 発行