またか!と言われるかもしれない。
しかし、B20にこだわることには理由がある。
前回のB20の話:

次の搭載目標は2-B機
私がDCCサウンドを搭載しようとするSLは「稼働率が低い」
ものが多い。
(もう一つは「2両持っている」)
せっかく苦労して制作or整備したものを使わないのは気の毒
だからである。
ウチの場合、古典ロコが牽引力やトレーラー車が少ないことで
どうしても稼働率が低くなってしまう。
最近、小型タンクロコはサウンドカー、もう少し大きいものに
ついてはサウンド搭載して使う機会を増やしている。
そうなると「難易度が高くで対応出来なかった」2-B機が
ターゲットになる。
集電する動輪が2軸で重量のかかり方も微妙なので最後に
なっていたのだが、こうなると「同じB型のB20で問題を
解決しておかないといけない」となる。

Next18(R06)に交換
前回の記事での問題点を確認する。
(1)サウンドの音が小さい
=>ブラスト音がぜんぜん聞こえない
(2)走行がカクカクする
走行については集電(接触)を改善することで地味に良く
なってきたが、問題は(1)である。
デコーダ自体の問題の可能性が高いので個人の努力では
どうにもならない。
困っているとメーカから「新バージョンのR06で音量が
MTC21と同等になる」との発表があった。
さっそく購入して交換することにした。
(ああ、出費が・・・)

さらに問題発生するも「面白いこと」が発覚
新バージョンのNext18(R06)に交換してテストをすると
それでも問題が発生した(グッタリ)
(1)SQ相当スピーカーで音割れ、ノイズが出る
=>ブツブツ、ジャ~というノイズが出る
=>特に汽笛では完全に音が割れる
(2)走行がカクカクする
う~む、そう来たか(達観)
後者についてはSQ相当=>MRC20φに交換してみた。
これで音割れとノイズが解消した。
そこで面白いことが判った。
なんと「カクカク走行がスムーズになった」のである。
ん? スピーカーが走行に関係するって!
なぜなのかは判らないが面白くなってきたぞ。
これは一つ「網羅的に調査・分析する必要がある」と実感。

サウンドデータとスピーカーの相性確認
まずは「音割れするスピーカー」の確認である。
・サウンドデータ(C12/C56、DMH17c、名鉄7000)
・スピーカー(SQ相当品、SQ、Micro-SQ、16φ)
・デコーダはMTC21とNext18(R06)
テスト結果は以下の通り
音割れ
SQ相当品 する
SQ(ESU) しない
Micro-SQ 汽笛で発生
16φ しない
とりあえずSQ相当品はSmileSoundでは使わない方が
無難なようである。

モータ設定ファイルの確認
発進がうまくいかない、走行が遅い、カクカク走行については
モータ設定ファイルをKATOパワトラ指定にすることでDCやECは
解決してきた。
ではSLではどうなのか?
B20(サウンドはC12/C56)で行うと快調に走行するようになる
のだがブラスト音がまったくシンクロしない(笑)
そこでモータ設定ファイルで変更されるCV値を比較してみた。
う~む、こんなにも違うのか・・・
確認して思ったのは、DigitraxやMRCでは普通のモバイルタイプ
の設定と同じでOKなものが、SmileSoundでは大きく変更されて
いることである。
これはおそらく「サウンドに合わせている」からなのだが、
こんなに大きく(しかも通常は変更しないCVも)変える
必要があるのだろうか?
この件は地味に研究するとして次の確認作業に入る。

とりあえずMicro-Cube
手持ちのスピーカーの中で「割と良い結果」のMicro-SQを
搭載して確認する。
判ってはいるがブラスト音はよく聞こえるが汽笛は割れる。
驚いたのは「カクカク走行が解消した」ことである。
こうなると「スピーカー選択はモバイルの回路に影響がある」
のは確実なようである(う~ん)

メーカー販売のスピーカーとサウンドデータの相性確認
DesktopStationに発注したスピーカー(数字部分省略)
CMS:18x9x3mm 8Ω/0.7w エンクロージャー無し
CES:26x13x8mm 8Ω/1.2w 細長いエンクロージャー
ASE:25x25x7mm 6Ω/1.0w 四角いエンクロージャー
これにESU SQ 8Ω/0.5wを入れてテストを行う。

資料調査とテスト結果
サウンドのテストデータをさらに追加。
蒸気:C12/C56
DC :DMH17c
路面:都電7000
EC :名鉄7000
EL :EF64
評価項目:
・音量
・音割れ、ノイズ
・ホーン/汽笛・ミュージックホーン
・ブラスト音の音量/音質/歯切れの良さ 等
・吊掛音(うなり音)の出方
について各スピーカーでテストを行う。
この手のテストは「網羅的」になるのでかなり手間で
ある。
この問題、かつてMRCやDigitraxでもやったので
「もう済んだ話」と思っていたが「メーカが変われば
全部やらないといけない」のだとしみじみ実感。
サウンドデータについてはモータ設定も一覧化。
(いずれちゃんと一覧にしよう)
テスト結果は以下の通り。
(1) 出力1w~ のものがすべての項目で良好
(2)比較としてCMS<CSE<ASE の順
ここで気が付いたのだが私はESUのSQは1wだと思っていた
のだが改めて確認すると0.5wだった。
のだが改めて確認すると0.5wだった。
このSQでもサウンドについては問題ないのだが、たまに
「コマンドを受け付けなくなる」現象が発生した。
因果関係は判らないが、ここでも「今まで悩まされた現象」
の原因らしいものが判った。
注意!
これらのテスト結果は「あくまで個人の感想」です。
本当に正しいか?の保障はなく「結果の保障なし」
であることをご理解下さい。
個人の感想を「鵜呑みにする」のは危険です。

成績の良いスピーカーの改造
テスト結果を元にB20の改良作業を行う。
スピーカーについては一番結果の良かったASEを使う。
そのままでは搭載出来ないのでエンクロージャーを可能な
限り小さく改造する。
エンクロージャを小型化すると当然音質に影響するのだが
テストすると「それほど低下しない」ことが判った。
注意!
メーカ製品を加工することは危険です。
スピーカーだけでなくデコーダも破損する可能性があります。
お勧めしません!(というか止めましょう!)
実施する場合は「自己責任」です。

スピーカー搭載
小形にしたASEを搭載する。
SQまではキャブ天井部に接着していたが、ASEは大型なので
水タンク間に搭載することにした。
両側がダイキャストで強度高/重量がある状態なので
取付強度は各段に上がった。

多大なる努力と出費の末に「爆音B20」
テスト結果は以下の通り。
(1)サウンドは一気に音量/音質改善
(2)走行は始動時にちょっとカクッとするが良好
ああ、ここまでの道は長かった(遠い目)
これでやっと「爆音B20」になった。
初めての装置をモノにするには「莫大な手間と出費」が
必要になることをしみじみ実感した(遠い目)

まだまだ続く「サウンド沼」
これで2-B機にサウンド搭載すれば終わりか・・・
おっと、もっと本命がいた!
路面電車である!(呆然)
路面電車は車体が小さく、低速走行をするため動力は
割と大きい。
しかも架線集電したり、ECはSLより良い音質が出るよう
工夫しないといけないのである。
悩みは尽きないのである(ち~ん)
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。