相変わらずの猛暑だが、たまには良いこともある。

不調になって2年、奇跡は突然に!
このアルパレフは15年以上ウチにあるカメラである。
しばらく?使っていなかったが、カメラのHPを更新するために
2年前に久々に使用することにした。
フィルムの現像結果を見ると・・・
撮影結果のほとんどのカットが後幕追い付きで半分真っ黒に
なっていた(遠い目)
しばらく使ってなかったからか?と、その後フィルム2本ほど
撮影したが、ついに1/50以下でしか露光しなくなった。
修理して使いたいなぁ、とは思うがレンズは1本だけの
このカメラの修理(かなり高額)はどうも気が乗らない。
結局、プリズマレフ入手もあって「動態保存」となった。
そして、2年が経過。
今年は猛烈な猛暑である。
2Fのホビールームの保管場所で毎日30度以上の温度に
なっていたこのカメラ、心配になって動作確認すると・・・
あれ?1/1000でもちゃんと幕が開いている!
なんという奇蹟!!
使うなら今だ!と思ったものの、他のカメラでの撮影と
「このカメラ独自の使用方法を思い出す作業」もある
ため2週間以上経過しての撮影となった。
(調子を維持するため、ホビールームは2週間もエアコン
使用を禁止するという「カメラ優先」の生活!)

やった! 1/1000で撮影出来る!(F=1:5,6)
猛暑のおかげで調子がいい=猛暑で使用して万全を期す
人間には超過酷な撮影開始!
(注:大変危険なので真似しないように!!)
現像結果を見るまではドキドキであったが、上がりを見ると
「おお!全コマちゃんと写っている!」のを確認すると
ライカで撮影した100倍嬉しい!(あほ)
こういうカメラなので、写真の良さというより「クラカメ
体験記」の様相を呈する。

このカメラで撮影するための「作法」
アルパレフは1946~1952年に製造されたカメラである。
その時代に1軸不回転シャッターは画期的である。
それはいいのだが、実際に使ってみると困ることもある。
上画像を見ると判ると思うが、シャッター速度変更は
高=>低方向にしか回せない。
変更方法はダイヤルを押し下げてチリチリとノッチのある
ダイヤルを回していくのだが、結構力が必要である。
これは外から見ただけでは判らないが、このダイヤルの
先にある機構は「物凄く繊細で細かいギア」があり、
力任せにグイグリ回してはいけない構造になっている。
猛暑(30度超え)の中、慎重に力を入れてチリチリと
速度変更をする作業は「緊張と体力」が必要である。
ああ、もの凄い修行感・・・
繊細な構造なのに「速度変更をするためにはイチイチ
グルリと回さないといけない」ダイヤル操作をするので
撮影の順番を高=>低へと変更しながらのルートを
考えておかないといけない。
(ここでも「クラカメ中心主義」)

老眼にはかなり厳しいウェストレベルファンダー
このカメラは「極初期時代の一眼レフ」を堪能出来る。
見るも楽しい花びらのようなピントフードを開くとそこに
撮影像がある!(上画像参照)
しかし、現実はそんなに甘くはない!
プリセットですらないレンズで暗いところやハレーションが
発生しそうな被写体をこの「原始的にもほどがある」
ファインダーは「精神力と視力」が無いと撮影出来ない!
このカメラを買ったときの若さを失った私の老眼・・・

成功したときの嬉しさ!(1/250 F=1:4)
上記のような苦労を越えて、撮影したものがちゃんと写って
いると嬉しさは半端ではない!
ああ、ちゃんと写っている・・・

実際の撮影はレンジファインダーが中心
アルパレフの特徴は「レンジファインダーの機能を有する」
ことである。
画像右側の距離計(スプリット)でピンを合わせ、左側の
ファインダーで構図を取る。
ウェストレベルファインダーなので、縦撮りのときには
このファインダーで構図を取ることが多いが、実際の撮影は
完全に「レンジファインダー機」である(ち~ん)
そのこと自体は大きな問題はないのだが・・・

レンジファインダーで通常撮影(1/1000 F=1:5,6)

レンジファインダーで縦撮り(1/1000 F=1:5,6)
カメラを通常の構図(横位置?)で撮影すると普通なのだが
カメラを通常の構図(横位置?)で撮影すると普通なのだが
縦位置(この場合はファインダー下)で取ると
「あれ?電車が凄く遠い」となってしまう。
現像結果を見ながら考えてみると・・・
このカメラ、レンジファインダー位置が左寄りである。
KODAK EKTRAも左位置だがほぼ中心位置にあるのに
対して、このカメラはウェストレベルファインダーに
押されて?かなり左側寄りになっている。
なるほどねぇ~納得(そこか、そこなのか!)

「猛暑の一時期に使えるクラカメ」の意味
今年はコロナ感染拡大防止のため、撮影会もなく
旅行も出来ない。
あらゆるイベントが中止になる中で「猛暑の中で
唐突に使えるようになったクラカメ」と撮影をして
公園でコロッケを食べる・・・
辛いことが多い年に「小さな楽しみ」を提供して
くれる70歳以上のクラカメというのは、面白いと
いうか粋な存在ではなかろうか?
さて、これでホビールームのエアコンが使える!
工作を再開しよう!(ご~ん)
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
その後の経験で内容が変更する可能性があります。