味噌汁軽便レイアウトが一段落したので今年初旬にやっていた
路面レイアウトの活動を再開することにした。
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ある悩み事
'98年当初から架線集電をやっていて「ある悩み」があった。
それは「架線クリーニング」である。
そのこともあって脱着可能架線を実用化したのであるが、
単線のレイアウトであっても架線クリーニング毎に脱着して
クリーニングするのはなんとも手間ではあった。
そんな時代から20年近く経過(遠い目)
複線レイアウトで同様の作業をすると、単純計算で
架線クリーニングの労力は2倍!
さらに内線の架線を外すのは手間なので、運転する毎に
そんなことをやっていたらゲンナリである。
なんとかならないものか?
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シングルアームパンタの試作
そんな悩みの解決策を考えていると、ある日のXを見て
これだ!というものを見つけた。
それは欧州の架線集電ロコのパンタ(シングルアーム)に紙ヤスリを
付けて架線クリーニングをしているものであった。
おお!これはいいぞ!
とはいえ、外国型車両は所有していない(貧乏)
仕方がないので、それに類するものを自作することにした。
手持ち素材を元にそれっぽいものを作成する(ありがち)
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試作車両完成
まずはシングルアームパンタっぽいものを作成。
とりあえずテストするために動力部は以前トーマの
コアレスモータの牽引力テストのために作成した
軸距31mm下回りを発掘したので使用する。
なんとも怪しげなものが出来た(笑)
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使用テストの結果
とりあえずエンドレスをグルグル走行させてみる。
何度か架線に引っ掛かったりしたが、調整を済ませると
それなりに快調に周回するようになった。
テスト結果で判ったのは、こんな簡単な構造のものでも
おそらく「接触部分が小さいから」磨き効果は上画像のように
効果ありであることが判った。
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改良タイプを作る
試作車両の結果を元に改良タイプを作成した。
・動力をダルマヤ23mmを使用
・シングルアームパンタの動き(押上力)をマイルドにする
・シュー部分をアタッチメントにして交換可能にする
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クリーニング用途でアタッチメント交換
シングルアームパンタを作るときに安直に1.0φの
洋白線を曲げて作成した結果、シュー部分は交換可能に
なってしまった(笑)
ちなみにこのクリーニング装置は「シングルアームパンタ」
でもあるので、実は通常車両でも使用可能である。
2.0φネジ穴を開けてあるが、両面テープで屋根に貼っても
クリーニング可能であることが判った。
「安直に作ろう」としたものが、結果的に「高機能」に
なってしまった例である。
悩んで苦労してしくみを考えると、結果的に良いアイデアが
自然と生まれるのかもしれない。
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テストを繰り返して実用度を上げる
クリーニング用のアタッチメントは紙ヤスリ(#800)と
しみとり用のペーパー(接点クリーニング液用)の
2種になった。
これで架線クリーニングはバッチリ!
長年の悩みが解決したので、しばし2線式/DCにしていた
路面電車の車両をDCC(サウンド)+架線集電に戻す
ことが可能になった。
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架線下で使うもの
線路上65mmに架線があり、横には架線柱があると線路側の
クリーニング道具もちょっと工夫が必要になる。
低い位置から浅い角度でレールを磨くことになるので
クリーニング棒?の先端部分は「ほぼ側面だけ」を使って
作業することになる。
それならば!ということで、真ん中で分割式にして紙ヤスリと
クリーニング液の布を裏表一体のものを作成した。
結果は良好で、ひっくり返して磨く作業を連続することで
効率良く作業が出来るようになった。
次は「路面上を掃除機でホコリ除去する道具」だな(笑)
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献
レイアウト全書 (株)機芸出版社 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究5 鉄道友の会 発行
RAILFAN 12月臨時号 車両研究6 鉄道友の会 発行