ED23の工作も進み「共通仕様」も決まった。
ついに本命である。

故人の作りかけの改修検討
ED23も「結果的に遺品」なのだが、ED56は本当に「遺品」
なので慎重な扱いになっている。
故人はモデラーとしてはスキルのある人だったので作りは良い
のである。
そうなると「出来ればそのまま完成に持ち込みたい」
しかし、現実問題として「使って遊ぶものである鉄道模型」の
宿命として動力装置の仕様(走行性能や整備など)は
自社仕様にしておかないと後で困ったことになる。
分解して工作の計画を立てる。

車体台枠は作り直す
ED23のときにも気になったのがこのロコの車体下の台枠表現
である。
実物写真を見ると車体下のチャンネル材が見えるのである。
ではその通りにするか?というとそこが悩ましい。
模型としてのチャンネル材で実用的に使えそうなものは1x2x1
なのだが、実際に使おうとすると大きいのである。
大きなチャンネル材を入れると妙に腰高になる。
実物写真でもチャンネル材は見えたり見えなかったりするので
サイズ的には0.8x1.5x0.8が欲しい(笑)
ED23(2両あるうちの後者)では結局0.8帯板で簡素に済ませた。
ではED56ではどうするか?
故人の付けたものは2.5mm以上の高さ(外してみたらレール)
があり、このままでは腰高になってしまう。
少し悩んだが外すことにした。

台車の改修
次は台車である。
故人は「動力装置はギアボックス化すべき」と判断していた。
(存命中にその話は聞いていた)
ギアボックスはなんと!35mmギアボックスを2個使って
片方はギアを抜いて貼り合わせてボックス化していた。
ガッチリした構造でそのまま使うのは問題ない。
基本的にはインサイドギアなのでキヤノンのモータで
1:20のウォームギアを使用する「当時標準」のものである。
そのままでもいいかとも思ったが、ウチの鉄模社輸入電機は
上画像のモータ+2:16ウォームが標準となっているので
ED56でも標準仕様に合わせることにした。
台車枠についてはED23と仕様を合わせるため一部パーツを
剥がすことにした。

台車の構造
ギアボックスと台枠の接続部は2φネジx2だったのだが、
カプラー取付ネジ兼用は問題があることや精度に問題のあった
ので1.4φネジx4に変更した。
センターピンはED23より2mm高くして同一仕様とした。

モーター搭載
改造してあってもインサイドギアはED23と同じものなので
高さを上げるスペーサを入れて2:16のウォーム仕様にしてある。

ED23と同等仕様
台車が組みあがったところでED23と比較。
外側の台車枠は分解する必要がないので前後端梁は固定にして
あるが外観は揃えてある。
センターピン仕様は同一なので「その気があれば両車で
台車振替も可能」である(笑)
長年「鉄道模型を走らせて遊ぶ経験」をしていると、
走行部分については「ディテールより維持が容易」を
優先するようになる。
入手が容易なパーツで共通仕様にして、整備も簡単な動力が
長く鉄道模型で楽しむコツだと思っている。

床板をED23仕様に合わせる
床板とボルスター部はED23と同一仕様に改造した。
この方式は鉄模社輸入電機シリーズの共通仕様でもある。

下回りを組んで走行テスト
走行部分の改修が済んだので仮組みして走行テストを行ったが
快調であった。
さて、ここからはディテール工作である。
遺品を組むときに「故人の遺志(制作途中)」をどこまで
生かすか?は悩ましい問題である。
私は「走行させて遊ぶ」ために必要なことは手を加えて
全体のイメージを残す方針でやっている。
次はED23と同じく「パンタグラフ」の悩みである(続く)
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
国鉄輸入電機の系譜(上)(下) 吉川文夫 著 (株)ネコパブリッシング 発行