ウチにおける「DCCサウンド搭載の本命」の話がようやく出来る。
実はかなり前からやっているのだが「やったことが多くて」
まとめるのに時間がかかった。

ダルマヤの路面用動力装置
路面電車をやっている人(昔から)は判ると思うが、
40年以上前はこのジャンルの動力はダルマヤ独占であった。
製品自体はその後生産終了してしまったのだが、低速走行や
急カーブ通過の良さもあってストックしてあるものを
今でも使い続けている。
この動力装置は登場当時は問題無しの優等生であった。
しかし、DCCサウンド時代になって困ったことになった。
それは「走行音(動作音)が大きい」のである。
小さいギアで下に落としてウォームギアで駆動するのだが
独特な「ウィィ~」という音が出るのである(遠い目)
DCCサウンド化を検討し始めた時点(2006年?)において
電車のサウンドが出せるのはDigitraxのSFXシリーズしか
なかった。
これはいいぞ!と使ってみると音が小さくて動力音に
かき消されてしまう(絶望)
う~む、どうしたものか??
この問題、解決策は「静音の動力を作る」で長年対応してきた
のだが、かなりの両数で使っているダルマヤ動力を全て交換
というのはあまりに非現実的である。
さて、どうしたものか?
ここでSmileSoundの登場である。
音量がかなり大きいこのデコーダを使えば良いのではないか?

ダルマヤ動力へのSmileSound搭載テスト
やってみないと判らないので23mm動力(ブリル単台車)で
サウンドテスト車両を作成した。
デコーダはNext18、サウンドは旧国を使い、スピーカーの
種類やエンクロージャーの容積を1mm単位で変更するなど
各種テストを行った。
結果「これだけの音量があればダルマヤ動力の動作音にも
勝てる!」という確信を持つことが出来た。
それはいいのだが、あの問題がある。
「SmileSoundは集電(接触)が良くないと走行しない」
である。
車体が軽量で軸距離が身近路面電車の悩みである。
これを解決せねば!

走行性能を確認
まずはユニトラック+クロスレール(90度)で動作確認。
クロスレールはレール交差部が絶縁になっているので
ショートホイールベース車両にはかなり厳しい。
テストしてみるとDCでは23mm(単台車)はなんとか
通過するがボギー台車は停まってしまう。
さらにSmileSound搭載にすると両方とも停まってしまう。
さて、どうするか?
SmileSound導入開始時ならともかく、あれから5ケ月・・・
解決策はアレしかない!

改良(動力側台車)
ボギー車については「全輪集電化」が効果的な解決策である。
この台車は軸距離20mmなのだが、この動力はダルマヤに
しては珍しく動力側台車に集電ブラシが無い。
どうやって集電ブラシを入れるか?なのだが、5ケ月も
やっていると入れ方は手慣れたものである。
ベリ銅t0.08帯板+1.4ネジ用タマゴラグ+絶縁ネジで
という「当社標準」の方法であっさり解決。

改良(非動力側台車)
通常台車については枕梁に集電ブラシを付けて車輪の裏側に
当るようにする。

全輪集電にしてDCCサウンド搭載
多少配線が複雑?になったくらいで対処完了。
デコーダは通常の箱物ボディの標準的搭載方法。
スピーカーが爆音仕様にするためDB(1.5w)を使用する。

17mm動力も改良
どうせテストしないといけないので軸距離17mmの
動力搭載の車両も改良する。
DCCサウンドの仕様は20mmと同様である。

集電プラシ追加(非動力側)
動力台車側には標準の集電ブラシがあるので問題なし。
非動力側の台車は前出同様に集電ブラシを追加する。
これでボギー車の改良は済んだ。
難しいのは単台車である。

集電ブラシ交換
当たり前だが単台車は「集電する車輪を増やす」ことは
出来ない。
ではどうするか?
ここで登場するのがB20での改良方法である。
ダルマヤ動力には車輪裏側を擦る凝った形の集電ブラシが
ついている。
DC(または他社のデコーダ)ではそれで問題ないのだが、
SmileSoundではなぜか集電(接触)が悪いのか?
動いたり停まったりするのである。
かなり手間取ったこの問題、B20で集電ブラシをベリ銅帯板
=>0.25φリン青銅に変えることで解決出来たので、ちょっと
惜しい気もするが作り直して交換した。

集電ブラシ追加
非絶縁側の車輪にも集電ブラシを追加する。
これもB20の教訓である。

サウンドテストの結果の搭載方法
16番車両とはいえ単台車の車両は小さい。
当初はサウンド実験車両同様に薄型スピーカーとデコーダを
モータ上に重ねて搭載する予定だった。
実際に搭載しようとするとその上に集電装置の取付ネジが
来るので接触の恐れがあることが判った。
そのためスピーカーを床板上に移すことにした。
厚さの制約が無くなったのでDB(1.5w)に変更した。
これで集電(接触)改良は済ませた。
その効果を確認する。

ボギー車でのテスト
KATOのクロスレール(90度)は済ませたのでシノハラの
クロスレールでのテストを行う。
シノハラのクロスレールは30,45,60,90度があり、
レールのクロス部の絶縁が長い(涙)
絶縁部の長さは角度が浅いものになるほど長くなり、
そのうえ角度が浅いと交差部が長くなるので集電は
さらに難しくなる。
まずはボギー車両(17,20mm)でテストを実施。
結果は30,45,60,90度の全てを無事通過した。
全輪集電の効果は絶大である。

単台車での通過テスト
続いてブリル21-E台車の車両でのテスト。
結果は30,45,60,90度の全てダメであった(絶望)
ユニトラックでは90度はOKだったがシノハラでは絶縁部が
長いのでダメであった。

レイアウトで停車テスト
クロスレールの結果はともかくとして、レイアウト上で
走行テストを行う。
この複線レイアウトは「単台車におけるクロス問題」がある
ことを想定してあるのでその点だけなら問題ない。
とはいえ架線集電(当たり方によっては傾く)や急角度の
ポイントもあるのでそれなりに難易度はある。
走行については問題無かったがSmileSoundと言えば
「狙ったところで停められない問題」がある。
Digitrax搭載の車両(普通にピタッと停車)と比較しながら
狙った場所で停まるか?を確認する。
旧国のサウンドデータのままでは「オーバーラン過ぎる」
のは当然だが、CV4:5に変更すると「慣れてくると狙った
位置で停められる」ようになった。
とはいえ、続行運転などで前車両にぶつからないように
止めるようなことは難しそうである。
当面は続行運転はDigitrax車両に任せよう(笑)
ということで、路面電車への適応テストはそれなりに
済んだ(凄く疲れた)
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。