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Channel: 気まま雑記
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キヤノンフレックス

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国産初期一眼レフを使うシリーズは続く。
次の1台というか「一応締めくくりのカメラ」の話。
 
Canonflex120250316
最後の1台はキヤノンフレックス
このカメラはキヤノン社初の一眼レフで1959年5月に発売になった。
キヤノン社は前年にレンジファインダ機のVILとVIT、翌年3月に
P(ポピュレール)が発売という新製品ラッシュ中に「まったく異なる
ジャンルのもの」を発売出来たのはさすがという感じである。
もっとも、発売開始時にはレンズは5種類?で広角レンズはなく、
発売後3ケ月で生産中止という慌ただしさは、同年6月に発売になった
ニコンFを意識したからなのだろうか?
ところで「3ケ月で生産中止」という割りにはキヤノンフレックスは
意外と中古をよく見かける。
ネットの情報では13000台が生産されて、ボディNo.で前期と後期が
あるらしい。
注:文献情報はなく「不確実な参考情報」です
 
Canonflex220250316
思っていたより大きくなかった
ところで、書籍で見ると「デカいカメラだなぁ」と思っていた。
実際に手に取ってみると「普通の大きさじゃん」であった。
全体の大きさは旧F-1とほぼ同じ。
ライバル機のニコンFと比較しても肩が高いだけで幅はほぼ
同じであった。
 
Canonflex320250316
上から見たところ。
ペンタプリズムは外れるがスクリーンは交換出来ない。
スッキリした印象を受けるのはやはり「巻上レバーがない」から?
 
Canonflex420250316
最大の特徴であるレバー巻上げ。
この時代のキヤノン社はトリガー巻上にこだわりがあった。
あくまで「私の使用感」を書くと以下の通り。
・ジャクッと一気に巻き上げるときには違和感はない
・問題はフィルム装填時に「ちょっと巻軸を動かしたい」ときに
 少しレバーを引くというのは案外やりにくい。
 =>巻きすぎになるとフィルムがムダになる(う~ん)
・巻上レバーは撮影時に親指を引っかけてグリップを良くする
 効果もある?のだが、ツルンとしたこのカメラボディは
 ちょっと不安がある。
・私は巻上確認を「ちょっとレバーを押して」やるのだが、
 トリガーは「動作開始時が硬い」ので実際は巻いてないこと
 があった。
 このことは「あくまで個人の使用感」なのだが、アサカメの
 ドクター診断でもトリガー巻上は不評であった。
 
Canonflex520250316
私がキヤノンフレックスに興味を持ったのは「Rシリーズレンズ
の絞りの構造」であった。
文章で読むと「なんでそんな感じ?」だったからである。
実物を使ってみてやっと謎が解けた。
動作は以下の通り。
・巻上動作を行うとマウント内中央のレバーが左=>右に動いて
 レンズ内の絞りバネをチャージする
・レリーズするとマウント内右下にあるピンが上に動いて
 レンズ側のピンを叩いて絞りが作動する
レンズ内の絞りバネをボディ側でチャージするということは、
「レンズを外して巻き上げると絞りが動作しない」ことになる。
こういう「ボディとレンズの状態を合わせておく」というのは
ハッセルのCタイプレンズと似たような考え方である。
慣れてしまえば「レンズ装着時に自分で絞りチャージ」すれば
良いだけではある。
ハッセルを所有している私はそれでOkだが、一般の人は
面倒だしミスが発生=>撮影失敗する可能性がある。
なぜこのような構造になったのだろうか?
ムダに初期一眼レフを使ってきた私がふと気が付いた!
それは、前年(1958)に発売になったアサペンKである。
その前のAPは手動絞りだったがKではレンズ側のバネを
手動でチャージ/レリーズ時にボディ内からレンズ裏の
ピンを叩く「半自動絞り」になっている。
ひょっとすると「この仕組みをボディ側からバネチャージ
すれば自動絞りになる」という発想だったのだろうか?
そういえば、次のFLレンズは絞りレバーだけになり、ボディ側
からレンズ裏のレバーを押す(叩く?)方法で絞込測光に
なったが、これもアサペン(というかM42レンズ機)と
そっくりである。
注:文献情報はなくあくまで「個人の想像」です
 
このような構造なので「絞り込み操作で被写界深度確認」は
レンズにある手動絞りリングを操作して行う。
考えようによっては便利?
レンズフィルタ径は58φとかなり大きい。
 
キヤノンのレンズ側の仕様はR=>FL=>FD=>nFDと変化している。
ウチには旧F-1があるのでFDとnFDのレンズはある。
Rレンズの仕様を調べた結果としては「口金は同じだが絞り動作の
しくみが違うので共用すると故障の原因になる?」と思われる。
注:文献に明記は見つからずあくまで「個人の意見」です
 
あれこれ確認したり想像(妄想?)してから撮影である。
 
Canonflex620250316
SUPER-CANOMATIC50F1.8 F=1:2.8
ネガをスキャンして思ったのは「クッキリスッキリの写り」である。
とても「初めて製造した一眼レフ」という感じはない。
さすがはキヤノン社だと思った。
 
Canonflex720250316
SUPER-CANOMATIC50F1.8 絞り開放
このレンズの最近接距離は60cmである。
そのため上画像のような小さい花の撮影は不満感高い。
コニカFPの50F1.8でも60cmで「良いレンズなのに残念」と
思った。
他社の国産初期一眼レフはどうだったのか?
・アサペンKのタクマー55F2 55cm
・ミノルタSR-2の50F1.8 50cm
・ニコンFの50F2(8枚絞り) 50cm
10cmは結構大きい。
他のメーカーは接写リングやマクロレンズがあるのに対して、
Rレンズはどちらも?なので「せっかく一眼レフ買ったのに」と
当時のオーナーは不満を感じたのではなかろうか?
(レンジファインダシリーズのベローズシステムを使った?)
 
Canonflex820250316
SUPER-CANOMATIC50F1.8 F=1:5,6
 
Canonflex920250316
SUPER-CANOMATIC50F1.8 絞り開放
白いものを絞り開放で撮影すると「ちょっとにじむ?」という
感じもする?がボケ味はクセがなく良い感じである。
 
全体的に「さすがはキヤノン社でカッチリした製品」だと思った。
 
ところで「最後の1台はなにか?」である。
答えは「ズノーフレックス」である(ち~ん)
20年以上前にちょっと操作したことがあるくらいで撮影は
やったことがない。
大変なレアアイテムなので多分使うのはムリだな(遠い目)
 
注意!
ここに記載されていることは「私の個人的経験」です。
参考にされてもいいですが、正解である保証はありません。
進捗状況によっては、内容を変更する場合もあります。
参考文献:
クラシックカメラ専科No.4 名機の系譜 朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科No.9 35mm一眼レフカメラ 朝日ソノラマ 発行
クラシックカメラ専科No.31 キヤノンハンドブック 朝日ソノラマ 発行
話題のカメラ診断室 2 朝日ソノラマ 発行

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